甲のロの音をより澄んだ、雑音のない音で吹きたいのですが、何に注意すればいいでしょうか。

TOP > 尺八ブログ > 甲のロの音をより澄んだ、雑音のない音で吹きたいのですが、何に注意すればいいでしょうか。

 前回は呂のロでしたが、今月は甲のロがテーマです。

甲の「ロ」などの甲音をきれいに出すための吹き方と練習のコツ

琴古流尺八の「甲」の音を澄ませ、雑音を減らすために
 琴古流尺八を10年余り吹き続けていると、音が出ることだけでなく、音色の透明感や響きの美しさが気になるようになります。特に「甲」の音は、呂の音に比べて息の圧力や歌口への息の角度の影響を受けやすく、少しの変化で音が鋭くなったり、かすれたりすることがあります。雑音を減らし、澄んだ音を得るには、息を強く吹き込むだけでなく、息の流れと唇、歌口の位置関係を整えることが重要です。
1.息の圧力と流れを整える
 甲の音を出すときは、呂の音よりも息の圧力を必要とする場合があります。しかし、力任せに息を吹き込むと、息が歌口に乱れて当たり、ヒューヒューという雑音や音の割れが生じやすくなります。 下腹部や脇腹の支えを意識しながら、息を一定の圧力で送りましょう。喉を締めて息を絞り出すのではなく、喉や肩の力を抜き、息の流れを安定させます。音がかすれる場合は、すぐに息を強めるのではなく、圧力を少しずつ変え、最も雑音が少なく響くポイントを探してください。
2.唇の形と歌口への息の角度
 甲の音の透明感を左右する大きな要素が、唇の開口部と息の角度です。唇を強く締めすぎると息が細くなり、反対に開きすぎると息が広がり、雑音が増えることがあります。唇の周囲に余計な力を入れず、息が安定して歌口に当たる形を探しましょう。 また、顎や尺八の角度をわずかに変えるだけでも音色は変化します。頭を大きく動かさず、尺八を少しずつ傾けながら、澄んだ音が出る位置を確認してください。唇だけで無理に調整するのではなく、息の方向と楽器の角度を一体として考えることが大切です。
3.音の立ち上がりを丁寧にする
 吹き始めに「フッ」という息の音が混じる場合は、息と音が立ち上がるタイミングを確認しましょう。息を急にぶつけるのではなく、息の流れを整えてから、滑らかに音へつなげる練習を行います。 甲の音を短く吹く練習と、一定の長さで伸ばす練習を交互に行うと、音の出だしと持続の両方を確認できます。音が出た後も息の圧力を急に変えず、最後まで透明感を保つことを意識してください。
4.雑音の種類を聞き分ける
 雑音には、息そのものが擦れる音、音が割れるような音、音程が不安定になることで生じる違和感などがあります。原因が異なれば対処法も異なります。 練習中は一度に複数の要素を変えず、息の圧力、唇の形、歌口への角度を一つずつ調整します。録音して聴き返すと、自分では気づきにくい雑音や音の揺れを確認できます。また、同じ音を弱めの音量で吹き、澄んだ響きを保ったまま少しずつ音量を上げる練習も効果的です。
5.毎日の練習で意識すること
 まず、普段よく吹く甲の音を一つ選び、弱めの音量で数秒ずつ伸ばします。音の出だし、中央、終わりの三つの部分で、雑音や音色の変化がないか確認してください。その後、弱音から少しずつ音量を増やし、音が荒れ始める直前の状態を把握します。無理に最大音量を追求する必要はありません。 琴古流らしい音色や曲中での音の役割も大切にしながら、師匠や経験豊かな奏者に音を聴いてもらうと、自分では判断しにくい息の角度や音色の癖を見つけやすくなります。
おわりに
 甲の音を澄ませる鍵は、息を強くすることではなく、適切な圧力、唇の柔軟性、歌口への息の角度を調和させることです。雑音を力で押さえ込もうとせず、どの条件で音が最も澄むのかを丁寧に探っていけば、透明感と芯を兼ね備えた甲の音に近づいていけるでしょう。

宗家竹友社の教室・体験稽古についてはこちら

お問い合わせはこちら

タグ

- お電話&Faxでのお問い合わせはこちら -

03-3341-5755
03-3341-5755

- メールでのお問い合わせはこちら -