令和4年ー5年冬

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旧朧3日に早稲田大学虚竹会の師走演奏会が開催されました。出演者はOBのみで、残念ながら現役学生は絶滅の危機に瀕しており、どうやら100余年の歴史に幕を閉じる時が近づいているようです。Covid-19の感染拡大対策で、新入学生勧誘の出店が3年間禁止され、一気に部員が減ってしまったのが主たる原因で、尺八にようなマイナーな古典芸能(もちろん現代邦楽もあるのですが知る人は殆どいない)は、待っていても部室を訪れる人もなく、新人空白の年があると次年度以降先輩による勧誘ができなくなり、命を永らえることが出来ず自然死を迎えざるを得ないとか。あとは、復活再生の奇跡を祈るばかりですが、その契機にでもならないかと思い、翁年頃のOBに声をかけたところ「末の契」「ままの川」「千鳥の曲」を披露することができ、現代邦楽を演奏した若手OBとコラボレーションを楽しむことができました。まさに「うたかたの夢」か。翻れば、これは学生だけの傾向ではなく、我が竹友会の会員も年々細るばかりで、各社中、紡方界とも同様の状況にあるようです。こうなると、指導者が少なくなり、製管師がいなくなり、譜面の発行も滞りといった悪循環が起こり、坂道を転げ落ちるような衰退を惹起します。などと、ぼんやりと考えていたところ、12月29日付の日本経済新聞「私の履歴書/リッカルド・ムーテイ」で「イタリアの音楽事情はかなり厳しい」「かつては主な都市、トリノ、ミラノ、ローマ、ナポリなどには国営放送RAIのオーケストラがあって、(中略) 今はトリノを残すのみになってしまった」「音楽院を優秀な成績で卒業してもオーケストラで演奏するポストがないという状態」という記事に遭遇しました。なんと、世界中で古典離れが発生しているということか‼️今や若者の心をつかんでいるものは、YouTube、SNS、Twitterであり、懐旧的な趣味と芸能に費やされる時間とお金は、殆どこちらにまわってしまっているのだろうか。少子高齢化とも相俟って、世界の古典芸能、文化が細り、消えていくのは寂しいが、打つ手もなく、傍観の日々を過ごしています。稲輔

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