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いっぷく亭
『咄々々』は 禅語で「とつとつとつ」と読み、
驚きや感動の「あら、まあ」という意味だそうです。
読んだり見たり聴いたりした折々「へえ〜、ほ〜」と思ったことを書き留めておきました。
愛着のある長年使ってきた尺八をそっと置き、しばし旨いコーヒーを飲んで
ちょいといっぷく。 いくつの『咄々々』を皆さんからいただけますか。
ご一緒にお楽しみいただければ幸いです。 邦 輔


≪ 目 次 ≫
第1話 「一尺八寸さん」 (24.04.02)
第2話 「梵鐘 と 尺八」 (24.04.09)
第3話 「大学入試センター試験」 (24.04.16)


24.04.16
第3話 「大学入試センター試験」

 先日、スクラップしたままになっていた新聞記事を見つけました。とうに過ぎたお話で恐縮ですが2012年大学入試センター試験問題です。日本史の問題に次のような設問がありました。今回はこれを解いていただきましょう。
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日本史B
第1問 次の文章は、高校生の拓也さんと歴史博物館で働いている姉の美咲さんとの会話である。この文章を読み、次の問い(問1〜6)に答えよ

拓 也:修学旅行で、最近築城400年を迎えたお城に行ってきたよ。お城の横の博物館で、本にも載っている有名な屏風が展示されていたな。
美 咲:屏風には長い歴史があるし、部屋を仕切る実用性だけではなくて、装飾品としての美しさもあるわ。屏風に描かれている絵から、当時の生活文化などの情報を読み取ることもできるのよ。
拓 也:実物を見てはじめてわかったけど、あの屏風には楽器を演奏している人も描かれているんだね。昔の楽器や歌って、どんな音色やメロディーだったのか、聴いてみたいな。
美 咲:そうね。音の復元研究をして、博物館の展示に活かせるといいわね。
(以下 省略)

問1 (省略)
問2 下線部に関して述べた次の文a〜dについて、正しいものの組み合わせを、下の@〜Cのうちから一つ選べ。
 a 鎌倉時代には、平曲の伴奏に三味線が使われた。
 b 江戸時代には、人形浄瑠璃の伴奏に三味線が使われた。
 c 明治時代には、西洋音楽をもとにした唱歌が学校教育に用いられた。
 d 明治時代には、ラジオ放送やレコードの普及によって流行歌が生まれた。

 @a・c   Aa・d   Bb・c   Cb・d
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 文部科学省の高等学校学習指導要領解説音楽編(21年7月)には、『生徒の個性を生かした創造的な活動を行い、生涯にわたって音楽を愛好する心情を育て、芸術としての音楽を理解し、我が国の伝統音楽を含めた音楽文化についての理解を一層深め尊重する態度を養うことを重視して改善を図る。』とあります。今年のセンター試験問題はこのようなことも背景に、日本史で採りあげられたのでしょうか。
 また、24年度から都内のごく一部の高校では「邦楽器の実技」を月一度授業として行うようです。「邦楽器の実技」の中に尺八が入っているかどうか分かりません。
 解答は必要ないと思いますが B です。

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24.04.09
第2話 「梵鐘 と 尺八」

 2012年3月11日、仙台の輪王寺において、東日本大震災一周忌法要追悼献笛が全国竹友会宮城県支部主催で行われました。詳しくは当ホームページ「各地のたより」30 に掲載しておりますのでご覧ください。午後2時46分、70余本の尺八が一斉に「チ」を1分間にわたり吹かれ、輪王寺の梵鐘が108回撞かれたと報告されておりました。

 ところで、吉田兼好の徒然草第220段に『凡そ、鐘の音は黄鐘調(おうじきちょう)なるべし、これ無常の調子、祇園精舎の無常院の声なり、・・・・浄金剛院の音、また黄鐘調なり』と。黄鐘調は無常の音。祇園精舎の鐘は黄鐘調の鐘で、同じ黄鐘調の鐘が浄金剛院にある、とあります。梵鐘の音は古くから黄鐘調が良いとされています。京都・妙心寺の国宝「黄鐘調の鐘」、京都・永観堂の梵鐘、大阪・四天王寺六時堂などがこの黄鐘調の名鐘としてあげられています。
 では鐘の音は皆「黄鐘調」なのかというとそうではありません。壱越(レ)、平調(ミ)、双調(ソ)、盤渉調(シ)など色々な音があるようです。かつて平安京では、中国の五行思想に基づき方角(5方向 東・西・南・北・中央)ごとに音を配置したのでは、ともいわれています。梵鐘を聴くと、どこの寺だから南の方角だと分かるようです。
 一尺八寸管の「チ」は音名で「黄鐘」、西洋音階では「ラ(A音)」になります。赤ちゃんが出生するときの第一声「オギャー」は「ラ」の音で、この産声は万国共通なのだそうです。私たちを包み込むような、そして心地よい余韻を残してくれるこの「黄鐘」の音は、このようなところによるのかもしれません。
 梵鐘そして尺八の黄鐘調の音が、大震災で犠牲となった多くの方々の永遠の安らぎとなることをお祈りします。

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24.04.02
第1話 「一尺八寸さん」
(※この記事は竹友会機関紙「竹友」162号(24年4月発行)「いっぷく亭」を書き直しました。)

 尺八の問題を二つ。
 第一問「一尺八寸さん」 苗字ですが読めますか?
 第二問「一尺八寸山」  山の名前です。これも難しい。

 苗字の型は12万以上あり、そのうちの8割は地名、地形からきているそうです。漢数字を含む難しい姓はずいぶんあります。「四月一日」は「わたぬき」さん、「八月一日」は「ほずみ」さん、「七寸五分」は「くつわだ」さん。とても読めません。 
 第一問の答は「かまづか」さんです。鎌の柄の長さが一尺八寸あることに由来するそうです。尺八を楽しむ者にとって親しみが沸きます。調べてみますと、同様に「一尺二寸」は「かまえ」さん、「一尺七寸」は「かまつき」さんなどがありました。
 第二問は「日本全国難読山名コンテスト」で日本一に選ばれた山です。答えは「みおうやま」または「みおやま」と読みます。場所は大分県中津市山国町と日田市の境にある山で標高は706.7mです。インターネットのウィキペディアには、『伝承によれば、この山名は、昔、この山で行われた狩りでしとめた三頭の大イノシシの尾を切り取ってつなげたところ一尺八寸あったところから名づけられたとも、昔、この山にいた三岐の蛇の尾の長さをたすと一尺八寸あったことから名づけられたとも言われ、読みの「みおう」、「みお」は「三尾」を意味するとされる。』ということです。
 3年程前まで、東京・渋谷駅近くにやはり「一尺八寸」というお蕎麦屋さんがありました。残念ながら今は別な店に変わっておりましたが、なんと読んだのでしょうね? 先日近くの手打ち蕎麦の店頭で大きな鉢を見かけました。蕎麦をこねる鉢の上部の直径が一尺八寸、そんなところから付けたのでしょうかね。

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(since 2011.04.18  全国竹友会事務局)

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